クライスト没後200年

クライスト没後200年とのこと。昨日、ドイツ文化センターで大宮勘一郎先生の講演を聞いたついでに(http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ja8109121.htm)、クライストがどれくらいオペラになっているのかOpernlexikonで調べてみた。20世紀に入ってからかなりオペラ化されているようだ。有名どころはヘンツェあたりだが、目についたものを備忘のため書き出してみる。

1846 Karl Reinthaler "Das Kätchen von Heilbronn"
1881 Heinrich Bulthaupt "Das Kähtchen von Heilbronn"
1927 Othmar Schoeck "Penthesilea"
1933 Klenau "Michael Kohlhaas"
1941 Viktor Ullmann (UA:1996)"Der zerbrochene Krug"
1957 Zillig "Die Verlobung in San Domingo"
1958  Waldmar Bloch "Das Kähtchen von Heilbronn"
1959 Heimo Erbse "Die Marquise von O. "
1960 Hans Werner Henze "Heinrich von Kleist" (Bachmann の翻案)
1963 Zbynk Vostrák "Der zerbrochene Krug" (チェコ)
Egk "Die Verlobung in San Domingo"
1971 Fritz Geißler "Der zebrochene Krug"
1979 Cikker Ján "Das Erdbeben in Chile" (スロヴァキア)
1997 "La brocco rotta (Der zerbrochene Krug) "


演奏会用の曲では、ハンス・プフィッツナーが《ヘルマンの戦い》、ヴァイオリン名手のヨアヒムが《ハインリヒ・フォン・クライストの思い出に》などを書いている。

大宮先生は、「クライストは特に戦前の日本では愛国主義的作家として受容されたが、善悪などの意味づけが一義的には決定できない物語構造を持っている点に、いまクライストを読み直す意義があるのではないか」とおっしゃていた。オペラ化という形での受容も一考の価値ありかもしれない。今シーズンはフランクフルト歌劇場で、ノイエンフェルズがOthmar SchoeckのPanthesileaを新制作している。ヴィデオで講演の様子が少しで見れるが、なかなか荒々しく面白そうなオペラ。誰か見てきて欲しい… Penthesileahttp://www.oper-frankfurt.de/de/page19.cfm?news=156