GERMANIA@Deutsche Oper Berlin

作曲: Alberto Franchetti
台本:Luigi Illicas
演出:Kirsten Harms

フランス革命後にドイツで広がった学生運動とナポレオンの解放戦争を題材としたオペラ。作曲家のFranchetti (1860〜1942)はイタリア生まれ、プッチーニやマスカー二と同時代で楽譜出版社・リコルディから《トスカ》のオペラ化を委託されながら完成させることが出来ずプッチーニに譲ったりしている。プロローグ「ニュルンベルク近郊、1806年」は舞台前方のみ、第2場「ケーニヒスベルクのルイーゼグループの地下集会場」では舞台を上下に分けるなど、演出は各場の空間の作り方に重点を置いている。(というよりも、特に凝ったことをしていない、と言った方がただしいかも。)ただし、プロローグでの警察などを舞台前方を仕切る幕に映る影で表現していたところや、エピローグの「戦闘の後」で、冒頭の音楽のみによる長い導入で、舞台上の床に点在する照明をゆっくりと上げていく辺りなど、光の演出は効果的であった。
高度に政治的な物語であるにもかかわらず、ラヴストーリーを中心に描く音楽に助けられ、さわやかな印象を残す若者のオペラとして聴いてしまった。ちなみに、この演出は2006年の初演時のDVDが発売されている。

Franchetti: Germania

Franchetti: Germania