Harnoncourt, Haendel@Musikverein ほか

 ウィーンでも、レストランや展覧会場で数度、日本は大丈夫かと聞かれる。新聞を広げると日本在住のオーストリア人レポなども多く載っている。

 午前中はウィーン中心から南に30分ほどの中央墓地で墓参り。ベートーヴェンブラームスシュトラウス一家、グルックなどの有名作曲家はもちろん、アルノルト・シェーンベルク、ツェムリンスキー、クシェネク、ヴェレシュ、プフィッツナー音楽学アドラーなどの墓碑もあり、新しいところではリゲティのものもある。
2時ぐらいまで墓地を回り、その後は街中に戻ってÖsterreichische Theatermuseumの世紀転換期のウィーンでのハンガリー文学を取り上げた展覧会 "Mantel der Träume" (http://www.theatermuseum.at/)。ナジなども編集に関わっていたMA(今日)という雑誌が面白そうだ。Hauerなども寄稿していたらしい。会場はなぜか大音量でベルクのヴァイオリン協奏曲。ハンガリーへのアメリカ音楽流入に関する音声展示で、ツィゴイネルワイゼンとオールドジャズがごっちゃになったような20年代の録音から、戦後すぐのかなりモダンなジャズ録音までを聴けたのが面白かった。42年の時点でもクラブでわりとちゃんとしたスウィング・ジャズをやっている。
その後、今は銀行になっているアドルフ・ロース・ハウスを通り過ぎてシュニッツェル屋「フィグルミュラー」へ。1年前と変わらず盛況。
夜は、Musikverein、アーノンクールヘンデルLa Resurrezione(http://www.musikverein.at/konzerte/konzertprogramm.asp?idx=22221)。altのWiebke Lehmkuhlがひときわ輝いていた。ヘンデルの曲には、同時代の宗教音楽とオペラの魅力が共存している。その後の作曲家の語法も全部ヘンデルの中にある、とまで言うと言いすぎだろうが、Luziferの描写でのトロンボーンのユーモアなどハイドン顔負けである。対位法、教会音楽、ギリシャものオペラ、復活…などと連想を広げながら耳を傾けていると、バッハもビゼーヴェルディマーラーR.シュトラウスシェーンベルクも入っているような気すらしてきてしまう。