明治学院コンサートシリーズ 第32回@明治学院アートホール

周知の通り、神谷町のビルの一角にあった近代音楽館が白金の明治学院に移管され、今年度再オープンした。明治学院コンサートシリーズでは、そこでの所蔵資料などを利用して日本人作曲家の曲を今後定期的に演奏していく企画が持ち上がっているようだ。

本日は、ラフマニノフモーツァルトに挟まれて、佐藤敏直、二人のヴァイオリニストのための《天空によせる歌謡》、山田耕作弦楽四重奏曲第2番》、高田三郎 弦楽四重奏のための《マリオネット》という3曲が演奏された。グロテスクな諧謔性に富む高田三郎の作品、ベルクなどに近い嗜好性を感じる。今後、抒情組曲あたりとプログラミングしてみても面白いのではないだろうか。同じ傾向の曲を突き合わせればよいというものでもないけれど。印田千裕さん、竹内弦さんによる、詩情豊かな佐藤敏直さんのデュオもとてもよかった。どちらも「夜」の曲だな、と思ったのはその前後にかけて読んでいた吉田秀和『永遠の故郷 夜』の影響だけではないだろう。

貴志康一弦楽四重奏曲》などが演奏される11月23日も楽しみだ。